喪服女性が気をつけた方が良い服装に関する5つのマナー
2016/11/25
数年前の冬、友人の父が亡くなり、その通夜(つや)に参加するべく葬儀場へ友人と連れ立って行ったときの話です。
主だった参列者が礼服で喪に服す中、一人の女性が葬儀場に着きました。
彼女は、服装こそ喪服だったモノの、その上に赤色のとても派手なコートを羽織っていました。
お通夜なので、その女性も慌てていたのかもしれませんが・・・。
その派手で場の雰囲気に合わない格好をしていたため、
葬儀場では一際目立っていて、当の本人も終始困惑した様子でした・゚・(。✖д✖。)・゚・
喪服とは、喪に服するさいに着用する礼服のことです。
当然ながら、悲しみの席に参列するさいに着用するものですので、髪型やメイクなども喪に服するのにふさわしいモノでなければいけません。
あまりハデ過ぎず、また、他の人の目から見て不快に思われないことが大切になります。
服以外に、防寒着や、アクセサリー、バッグなどの持ち物や靴も、失礼に当たらないモノを選んで身につける必要がありますので気をつけましょう。
この記事では、喪服を着る際に女性が気をつけた方が良いであろう
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服装
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靴
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髪型
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アクセサリー
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バッグ類
などに関する5つのマナーについて解説していきます。
喪服に関する5つのマナー
1.服装
選ぶポイントは
- 基本的には黒色の服装
着物、洋服どちらの場合であっても、なるべく上質の生地で出来たモノを着るようにしましょう。
- 一年中着られるモノ
喪服は一年の中で、いつ、どの季節に着ることになるのかが分かりません。
夏用、冬用なんて2着も持たずに、喪服を1着で済ませるために、
薄手のウールか、サマーウールで、六・七分袖ぐらいのワンピースとジャケットがセットになったモノを買われる事をおススメします。
なぜ?かというと、
- 夏にはワンピース
- 冬にはジャケットを着て防寒
これなら、季節を気にせず1年中使えますよね。
避けるべきポイントは
- ノースリーブや半袖
ノースリーブや半袖など、肌の露出が大きくなる服装は、喪に服し慎みを重んじる席には不向きです。
- 丈の短いスカート
スカートの丈は、膝にかかるくらいか膝下まで伸びたモノを着用するようにしましょう。
スカート丈が短いと、露出が多くマナーを欠くだけではなく、お辞儀をする際の姿も不恰好(ぶかっこう)にうつります。
2.靴
選ぶポイントは
- 布製の黒いパンプスなど
布製の黒いパンプスなどが喪服にふさわしいでしょう。
黒いパンプスなどがなければ、革製のシンプルな靴でもかまいません。
避けるべきポイントは
- 光沢のあるキラキラしたモノ
光沢のあるモノや、キラキラした金具をあしらったものは避けるようにしましょう。
- ヒールが細長いモノ
ヒールが高すぎたり、細すぎたりするモノも、あまり相応(ふさわ)しくありません。
ヒールの高さは、約3~5センチぐらいで、やや太めの安定したヒールにすると、お焼香(しょうこう)や挨拶(あいさつ)の時にふらつかず、なおかつ上品でスマートです。
ストッキングも、黒のモノを履きましょう。
ただし、
冬場でも、黒のタイツはカジュアルな印象が出て相応しくありませんので避けましょう。
3.髪型
選ぶポイントは
- 髪はまとめる
髪の色はそのままで良いとしても、髪形はマナー的にも慎(つつ)ましやかで清楚なイメージが必要になるのと。
献花(けんか)やお焼香の際には頭を深く下げるので、髪をまとめるか、または留めるかなどして、
顔に髪がかからないようなスタイルにしましょう。
また、お辞儀をしたあとで、髪を触ったり気にするのは、故人に心からお別れをするときの心のこもった仕草とはいえませんので注意が必要です。
避けるべきポイントは
- 光沢のあるキラキラした髪飾り
髪飾りも、靴と同様にキラキラした金具がついていたり、光沢があるモノなどではなく、
黒色でシンプルなデザインのバレッタやヘアピンにするなど、ハデになりすぎないよう注意しましょう。
4.アクセサリー
選ぶポイントは
- パールネックレスなど
喪服=パール・ネックレスというイメージが強いですが、
喪に服するための身だしなみという意味をもって身に着けるものなので、必ずしもパール・ネックレスをつけるという決まりはありません。
ダイヤやプラチナなど、他の宝石より清楚な輝きが喪の席に相応しいので着けている場合が多いようです。
パールネックレスは、一連のブラックかホワイトで、パールもあまり大ぶりすぎないモノを選ぶようにしましょう。
避けるべきポイントは
- 2連以上のパールネックレス
パール・ネックレスをつけて臨(のぞ)む際にも注意が必要です。
不幸が【重なる】ことを連想させる、二連、三連のものは避けるべきです。
流行物のロングネックレスなども相応しくないので気をつけましょう。
5.バッグ類
選ぶポイントは
- 黒色のプレーンな布製のモノなど
これも髪飾りや靴などと同じく、あまりハデではなく黒色のプレーンな布製のモノなどが相応しいでしょう。
最近では革製であっても、飾り気のないモノであれば大丈夫だそうですが、革であっても布であっても、
キラキラした金具がついていたり、光沢のある素材で出来ていたりするモノはマナーに反します。
避けるべきポイントは
- 高価なブランド品など
高すぎるモノや、ブランド品なども避けましょう。
バッグなどの大きさは、数珠や香典袋、白いハンカチなど必要最低限が納まる大きさのモノを持つのが上品でスマートです。
また、エコバッグのような仕様の少し大きめの袋を持っていると、折り畳みの日傘や雨傘、肌寒いときのための防寒着、香典返しを頂いた時などに便利です。
マナーを押さえた正しい喪服の選び方
社会人になって仕事での人脈が広がってくると、それだけお葬式に参列する機会も多くなってきます。
また、年齢を重ねていけば身内の不幸も出てくるので、きちんとした喪服を用意しておく必要があります。
若いうちは「黒いモノなら問題ないだろう」と考えて、普段着ているスーツやワンピースなどで間に合わせがちになりますが、一定の年齢を超えてくるとそうもいかなくなってきます。
これは自分自身の見栄えの問題ばかりではなく、亡くなった方と遺族に対しての敬意をあらわすために、マナーとしてきちんとした喪服を身につけるということです。
日ごろはオシャレな人でも、こういうとき、いかにも間に合わせの服装をしていたりすると、周囲への思いよりが足りない礼儀知らずの人のようにも見られかねません。
また、世間一般の考え方としては、年齢とともに経済的にもゆとりが出てくるのだから、冠婚葬祭にもしかるべき出費をする責任があるということにもなります。
したがって、喪服を選ぶ際には、質の高さを重視することも大切になってきます。
出費を惜しんで安いモノを買うと、結局は長く着られずに失敗することもあります。
女性の場合、着物ならほぼ一生モノとして着られますが、着付けのことを考えると大変になってしまうので、まずは喪服用に堪(た)える洋服を一着持つことから始めましょう。
上記でも書きましたが、この場合ポイントとなるのは、スタンダードでシンプルなデザイン。
素材は上質のモノ、さらに仕立てのよさにも注意を払います。
目安としては、少なくとも5年以上は着るつもりで選ぶと良いでしょう。
また、素材やデザインについては、正座するときのことも考えて選ぶようにします。
しわになりにくい素材を選び、夏物でも麻や綿などは避けたほうが無難でしょう。
女性の場合、ぴったりとしたスカートでは座りにくくなるのでそのことにも気をつけましょう。
まとめ
以上が、喪服女性が気をつけた方が良い服装に関する5つのマナーについての説明になります。
冒頭にも書きましたが、喪服とは、喪に服するさいに着用する礼服。
故人をしのび、周囲への配慮を忘れない。
そのことを服装で示す。
マナーを守って、冠婚葬祭に合わせたバッグ、靴、パールのアクセサリーといった小物まで、喪服に用にきちんとそろえておきたいですね。