クジラの種類とその生態について解説します!
2017/10/22
全生物の中で一番大きな重量を持つ生物はクジラですが、その大きさゆえか?水族館で見ることはありません。
私も子どものころ漁港で揚げられたクジラを見たそれ以降、実物のクジラを見たことがありません。
クジラの種類と生態ってどのようなものなのでしょうか?気になりますね。
目次
1. クジラの種類
クジラの種類ですが、クジラはザックリ分けると【ハクジラ亜目】と、【ヒゲクジラ亜目】に分類されます。
1. ハクジラ
その名が示すとおり、ハクジラは歯を持っておりイカや魚などの比較的大きい生き物を、そのするどい歯を使って捕らえて食べます。
2. ヒゲクジラ
その名が示すとおり、ヒゲクジラは口の中にヒゲが生えており、歯はありません。
歯クジラと違い小魚やプランクトンなどの小さい生き物を大きな口を開けて捕らえ、口の中に生えたヒゲで海水を外に放出したあと飲み込んで食べます。
2. クジラの生態
クジラは哺乳類なのに何故?水中で生活するのか?
クジラの生態で不思議なのが、何故?多くの哺乳類は陸上に住んでいるのに、クジラは水中生活をおくるのかです?
プールに潜れば分かるように、私たち人間は、水中では1分ほど息を止めただけで苦しくなってきます。
とても、水中生活が出来るほど息を止めていられませんが、はたして私たち人間と同じ哺乳類のクジラは、どのくらい水中に潜っていられるのでしょうか?
シロナガスクジラの潜水時間は15分程度と言われています。
人間と比べるとだいぶ潜水時間は長いのですが、これでは、割と頻繁に息をするために上がってこなければならず、水中生活では少しせわしない感じがします。
マッコウクジラは、なんと1時間以上も潜っていられるそうです。
それなら、クジラの肺はさぞ大きいのだろうと思いますが、体の大きさを人間サイズにみなして換算してみると、人間の1.5倍程度しかないそうです。
そうなると、どうして1時間以上も潜っていられるのか不思議ですが、その理由は、呼吸の仕組みが人間とはかなり違うことにあるようです。
私たち人間は、普通の状態では浅い呼吸をしています。
肺の中の空気は、およそ10~15パーセントぐらいしか入れ替わりませんが、クジラは1回の呼吸で80~90パーセントぐらいの空気を入れ替えてしまいます。
肺の大きさの違いを考えると、1回の呼吸で人間のおよそ10倍近くの酸素を取り込んでいることになります。
また、クジラは筋肉に多量の酸素を溜め込んでいます。
クジラの筋肉中には血液中の【ヘモグロビン】によく似た【ミオグラビン】という物質が多量にあって、その量は陸上の哺乳類の3~4倍にもなるそうです。
マッコウクジラでは8~9倍もっています。
ミオグラビンは、ヘモグラビンと同じように酸素と結びついていますが、筋肉が酸素不足になると酸素を放出して補給します。
このミオグラビンが赤い色をした【たんぱく質】なので、クジラの肉は赤い色をしているのです。
肺呼吸のクジラが陸に上がると死んでしまう理由とは?
クジラといえば潮吹きを思い出す人もいると思いますが、あれは海水を噴出しているのではなく、吐いた息が冷えてそう見えるのです。
いちいちこうして海面にあがってこなければならないのは、肺呼吸をしているクジラのつらいところです。
【ウミヘビ】の一種には、皮膚で水中の酸素を吸収する能力を発達させているものがいるようですが、どういった理由からか?陸棲から水棲に戻った動物は全般的に、陸棲時代の呼吸方法を捨て去れずにいるようです。
クジラなどは体型までをも魚類に似せているにもかかわらず、呼吸のほうは相変わらず肺に頼りきったままだというのも、よくよく考えてみれば不思議な話です。
肺呼吸であるにもかかわらず、クジラは陸にめっぽう弱く、陸に打ち上げられるとわずか数分で呼吸困難のために死んでしまいます。
エラ呼吸の魚でも、ふつう、陸に打ち上げられてすぐには死にません。
それなのに何故?陸棲の動物と同じく肺で呼吸しているクジラは魚よりも早く死んでしまうのでしょうか?
これは呼吸法が原因ではなく、実は大きくなりすぎてしまった体が原因です。
水中では、自分の体重を支える必要がないので、水圧にさえ耐えられれば、ガッチリとした骨組みをしていなくても生きていけます。
皮下脂肪を厚くすることで水圧に対する抵抗力を得たクジラは、海がエサに恵まれていたこともあり、水中に住む利点を利用して、どんどん巨大化していきました。
シロナガスクジラなどは、最大のモノで体調は32メートル。
これは恐竜の中でも特に大きかったとされる【ディプロドクス(体長25メートル)】などよりも巨大で《地球の歴史上最大の動物》です。
しかし、皮肉なことに大きくなるためにクジラがとった方法は、骨のつながりを緩めることでした。
この緩んだ骨格では、水中では支障がなくても、陸上では100トン(最大級のシロナガスクジラの体重は170トン)もの体重を支えることはできません。
そのために、肺をはじめとする生存に必要な機能が押しつぶされてしまい、陸に打ち上げられてしまうと、わずか数分しか生きていられないのです。
まとめ
クジラは現在、種類によっては絶滅危惧種にも指定されています。
この記事でクジラの種類と生態について関心をもってもらい人間とクジラがともに共存できるような環境の一助になれば幸いです。